#中東欧編集者招へい2024
2023年度中東欧地域編集者グループ招へい事業 報告
世界各国で日本の図書が翻訳出版されていますが、国際交流基金(JF)の翻訳出版助成の実績をみると、なかでも、近年、文学作品をはじめとする日本の図書の翻訳出版が増えている地域が中東欧地域です。JFは2024年2月、ブルガリア、クロアチア、チェコ、ハンガリー、コソボ、モンテネグロ、北マケドニア、ポーランド、ルーマニア、セルビア、スロバキアの11か国から1名ずつ、各国の出版社で活躍する編集者を、10日間、日本へ招へいしました。参加者が日本の書籍に関する情報を集め、日本の関係者と専門家同士のネットワークを構築する機会とし、今後、現代文学をはじめとする、より多様な日本の図書の翻訳出版が中東欧地域でますます増え、充実していくことを目指したものです。
参加者は、滞在中日本文学や日本の出版制度についての理解を深め、日本の出版関係者との交流や書店訪問等を行いました。#中東欧編集者招へい2024では、事業終了後、11名の参加者からお聞きした、日本滞在や日本の出版事情について印象に残った点、各国の日本文学出版事情、そして帰国後の様子等をお届けします。
早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)にて(2024年2月撮影)
参加者一覧
- ライモンド・ワゲンシュタイン(Raymond Wagenstein)/コリブリ出版社(Colibri Publishing House)、ブルガリア
- ネルミナ・フスコヴィッチ(Nermina Husković)/ヘナコム(Hena com)、クロアチア
- ニコラ・コホヴァー(Nikola Kochová)/ホスト出版(HOST — vydavatelství, s. r. o.)、チェコ
- バラージュ・エヴァ(Balázs Éva)/ゲオペン出版(Geopen Könyvkiadó Kft.)、ハンガリー
- エドン・ゼネリ(Edon Zeneli)/ペマ出版(Pema Publishing House)、コソボ
- ニコラ・カサリツァ(Nikola Kasalica)/ウロボロス出版(Ouroboros d.o.o)、モンテネグロ
- ボヤン・サズドフ( Bojan Sazdov)/TRIパブリッシング・センター(TRI Publishing Centre)、北マケドニア
- アドリアンナ・ヴォシンスカ(Adrianna Wosińska)/キリン出版(KIRIN Publishing House)、ポーランド
- デニサ・コマネスク(Denisa Comanescu)/フマニタス・フィクション出版(Humanitas Fiction Publishing House)、ルーマニア
- ネナド・シモノヴィッチ(Nenad Simonović)/タネシ出版(Tanesi d.o.o.)、セルビア
- ダリナ・ザイツォヴァー(Darina Zaicova)/スロバルト出版(SLOVART Publishing House)、スロバキア
滞在プログラム
- 2024年2月27日(火)
■レクチャー:阿部賢一 (東京大学准教授)
『中東欧と日本--文学を通じた文化交流』
第一部:”小”文学をどのように翻訳出版するか
第二部:日本文学/文化、過去と現在
■視察:国際交流基金JFライブラリ - 2024年2月28日(水)
■視察:早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)
■レクチャー&ディスカッション:辛島デイヴィッド(早稲田大学教授)、小野正嗣(早稲田大学教授・作家)
■出版社訪問:講談社 - 2024年2月29日(木)
■レクチャー:樋口清一(日本書籍出版協会専務理事)
『日本の出版市場の概況と出版界を取り巻く環境変化について』
■日本の出版社とのネットワーキング交流会及び懇親会 - 2024年3月1日(金)
■出版社訪問:文藝春秋社 - 2024年3月4日(月)
■出版社訪問:淡交社
■書店訪問:大垣書店